稼ぐ農業を目指す!!

農業でさらに『上』を目指したい人に読んでもらいたいです。

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資金繰りで悩む農家、新規就農者に読んで欲しい記事①資金繰り表を作成する

経営、お金の悩みがスッキリ!!すごいぞ資金繰り表!

f:id:ok-farm:20190122005333j:plain

 

文章よりも動画の方が分かりやすい、という方は、

以下のリンクの方がオススメです。↓




2018年の10月~12月に、

農業関係の勉強会に何度か参加してきました。

その中で特に『この話は聞けて良かった!!』

と思えた、

『資金繰り』についての解説です。

 

『農業始めて数年経つけど、資金繰りがこの先不安だ・・』

『今は順調だけど、規模拡大すべきなのか、現状の面積にしておくべきか?』

『大型機械をローンで購入したいけど、今後の返済は大丈夫かな?』

『来年新規就農するんだけど、この計画は本当に大丈夫なのかなぁ?』

など、経営にまつわる悩み。

つまりお金にまつわる悩みは、

どんなタイミングでも

それぞれお持ちだと思います。

 

今回、参加してきた勉強会で、

『その経営の悩みを見える化してくれるのが、

この資金繰り表だ!!』

と講師に熱弁され、本当に私自身、この先のお金の出入りが

明確になりました。

確定申告を毎年されている方なら、

確定申告用の書類と

お手持ちの営農口座の通帳で、

試算ができます!!!

少し長い文章になりますが、

ぜひ資金繰り表を完成させて、

経営の不安を取り除いて下さい!

 

 

まずは以下の表をごらんください。

f:id:ok-farm:20190106013820j:image

金額は架空の数字ですが、

資金繰りの履歴と、今後の試算表です。

これは誰でも簡単に作成できる表なのですが、

簡単なのに、かなり正確な数値が出ます!!

皆さんも白紙の用紙とエンピツ、電卓があれば試算できます。

もちろん、エクセルやスプレッドシートでもOKです!!

ぜひ一緒にやってみて下さい。

 

 

資金繰り試算表を作ろう!!

①表を作る前の準備

画像を参考に、

・売上(A)

・農業所得(B)

・来年の運転資金(ア)

・年減価償却費(イ)

・年借入金返済額(ウ)

・生活費(エ)

・農業次世代人材投資資金(オ)

・使えるお金(カ)

・貯金できるお金

・売上高材料費比率

の欄を紙に書いたり、エクセル等で作成して下さい。

この表の単位は全て千円です。

 

まず、昨年の金額をすべて入力して、

『昨年の実績と資金繰りはどうだったのか』を

振り返ってみましょう!

 

②それぞれの数値の調べ方

それぞれの数値の調べ方と、簡単な解説です。

切り捨てと切り上げをしっかりと。

はじめに!!!

数字を転記する際、

『売上は切り捨て』

『支出は切り上げ』

にしましょう!!!

売上は、減ることはあっても、増やすことは簡単ではありません。

逆に、支出は増えることはあっても、減らすことは簡単ではありません。

数千円の売上が増える誤差と、

数千円の支出が減る誤差。

今は少しの誤差だったとしても、

農業規模が大きくなった場合、

その誤差が数万円、数十万円になり

『何でこんなタイミングでお金が足りないの・・・?』

というトラブルになりかねません!!!

この

『売上は切り捨て』

『支出は切り上げ』

 は、農業関係の試算をするときには、必ず守りましょう!

確定申告の提出書類から転記する数値

確定申告の提出書類の項目、番号を参照しながら、

実際に入力してみましょう!!

f:id:ok-farm:20190106003827p:image

・売上(A)

確定申告(青色申告決算書1枚目)の

記入欄1 販売金額

記入欄2 家事消費金額、事業消費金額

の合計を入力して下さい。

後述しますが、『農業次世代人材投資資金(150万円)』や、

JAなどから支給される新規就農者の補助金は

ここには加算しない方がいいです。

・農業所得(B)

確定申告(青色申告決算書1枚目)の

記入欄36 差引金額

から、

記入欄3 雑収入を引いた数字を

記入してください。

雑収入というのは、農業関係の補助金、給付金や、

銀行などからの利子を記載されることが多いので、

この数値を所得に入れてしまうと、

後の計算に影響が出る場合がありますので

雑収入は引いておきましょう。

特に、新規就農者の場合、

『農業次世代人材投資資金(150万円)』を

除外するのはお忘れなく!!

 

・年減価償却費(イ)

青色申告決算書1枚目の

記入欄20 減価償却費

を記入してください。

 

・農業次世代人材投資資金(オ)

数年前まで、青年等就農給付金と言われていたものです。

主に年間150万円(半年ごとに75万円ずつ)給付されます。

タイミングよく申請をした農家でも、

MAX5年、750万円しかもらえません。

確定申告の書類には、『雑収入』に含まれている数字です。

その年にもらえる金額が150万円だったり、75万円だったり、

利益金額に応じて減額されていることもあります。

その年に給付された金額

(orこれからの給付予定)

を正しく記入してください。

また、JAや行政などからまとまった給付金がもらえた場合、

 もしくは今後もらえる場合は、

それもこの欄に記入しておくとよいでしょう。

 

営農口座(貯金通帳など)から転記する数値

『農業経営の数字は全て確定申告の書類に書いてある!!!』

と思っていた時期が、私にもありました・・・。

実は、確定申告の提出書類には書いてないんだけど、

それと同じレベルで大切な数字が2つあります。

f:id:ok-farm:20190106004100j:image

それが、以下の2項目です。

これは、

営農口座(農産物の売上や支出が入る通帳)の

実際の数字を記入してください。

・年借入金返済額(ウ)

農業機械や、施設などを購入する際に、農協や金融機関から

ローン(借金)をしている方は、この金額をお忘れなく!!!

確定申告の書類に、

『ローンの利子の金額』は記載がありますが、

『月々の返済額』は、

実は全く記載がないのです!!

ですから、

営農口座から、『JA:借入金返済』など、

記載のある数値の、年間の合計金額を転記してください。

ちなみに、『元金』と、『利子』がありますが、

転記する金額は、『元金』だけ記入してください。

『利子』は、確定申告の書類の『経費』に含まれているので、

ここで転記すると二重計上になりますのでご注意!!! 

 

 

 ・生活費(エ)

サラリーマンでいう所の、『給料』に相当するお金です。

農業の経営がうまく行っている、行っていないに関わらず、

あなたが生きていく上で生活費は必須ですよね?

昨年の実績で、

あなたが家計費として

営農口座から引き落とした金額の

年間の合計を、

この『生活費(エ)』に入力してください。

 

また、配偶者が会社づとめをしていたり、親元就農されていて

『私が何とかするから、生活費は半額だけ入れてくれればいいよ』

『とりあえず生活費は入れなくていいよ』

というパターンの方も、

実際に営農口座から引き落とした

生活費の金額を記入してください。

 

余談になりますが、今後の管理がしやすくなると思うので、

生活費を営農口座からプライベート口座に移すときは、

なるべく1か月に1度、まとめて移動させましょう。

『この月は月初に1万円移して、

中ごろに7万円移して、

月末に10万円移して・・・』

とやっていると、思わぬ計算ミスのもとです。

また、営農講座と、家計費の支出の口座は必ず分けるようにしましょう!!

 

上記の数値を計算して求める数値

ここからは、転記してもらった金額に少し計算を加えてもらいます。

そんなに難しくないので、電卓だけあれば大丈夫です。

エクセル、スプレッドシートで記入する方は、

『=A3×0.3』など、自動計算するとラクだと思います。

 

・来年の運転資金(ア)

この記事の最重要項目です!!!

算出の仕方は

『売上(A)× 0.3』です。

0.3 という数字に明確な根拠はありませんが、

私が参加した勉強会の講師が

『余裕を見てこれくらいの数値にしておけ』

と言われた、農家の平均運転資金に少し余裕を持たせた数値のようです。

『栽培や販売が上手な農家は、

この数値が0.25になったり、

0.2でよくなったりするが、

それは技術や経験がある農家の数字。』

特に新規就農者や、資金繰りに不安がある方は、

『売上(A)× 0.3』で算出しましょう!!

 

・使えるお金(カ)

この試算で分かる『結論』のような数値です。

少し計算項目が多いですが、要は

『農業所得に足すものを足して、

 引くものを引いたら、

 手元にいくら残るか?』という計算です。

計算式は

ーーーーーーーーーーーーーーー

  農業所得(B)

ー 運転資金(ア)

+ 年減価償却費(イ)

ー 年借入金返済額(ウ)

ー 生活費(エ)

+ 農業次世代人材投資資金(オ)

ーーーーーーーーーーーーーーーー

です!!

 詳しい解説は後述しますが、

当然のことながら、

この

・使えるお金(カ)

が、多ければ多いほど経営は安定している

稼げる農家、ということになります。

 

 

 

・貯金できるお金

計算式は

ーーーーーーーーーーーーーーーー

  今年の『使えるお金(カ)』

ー 昨年の『使えるお金(カ)』

ーーーーーーーーーーーーーーーー

です。

 

前項の『使えるお金(カ)』と連動していますが、

今年使えるお金が、去年の使えるお金より、いくら増えたのか?

増えた分が、貯金できる金額という計算になります。

『使えるお金(カ)』を増やすことが出来れば、

この『貯金できるお金』も増えるわけですが、

当然、この数値には『生活費』『来年の運転資金』などと

連動しています。

『貯金できるお金を増やすぞ!!』とそれだけを目標にすると

来年の農業が規模縮小してしまったり、

生活費の金額が足りなくなり、自分以外の家族に負担を強いるようなことも

あり得ます。

『貯金できるお金』は、あくまで結果です。

その点、気を付けましょう。

 ・売上高材料費比率

農林水産省のホームページに

”売上高材料費比率

売上高に占める材料費の比率を表す指標。 値が小さいほど、少ない材料費で多くの売上 高を実現する技術水準が高いことを示す。 農業所得率 売上高に占める農業所得の比率を表す指標。”

という項目があります。

この数値は、確定申告の際に必要な

収支内訳書で算出できます。

(種苗費+肥料費+農薬費+諸材料費)

   ÷ A(売上)

です。

文字通りの解説ですが、

今年の農業売上に対して、

材料費はどれくらいの割合を占めていたのか?

『1000万円売上が上がった!!!』

と言っていても、

『実は苗代と農薬費が950万円かかってたんだよね・・・』

となっていたら、1000万円の売上に、

まったく値打ちがありませんよね?

 

今回の勉強会の講師がおっしゃるには、

『野菜栽培の場合、

最悪30%以下。

できれば25%以下にしないと、

ハッキリ言って長期的な経営は苦しい』

とのことでした。

 

続けて2年前、3年前の数値を入力する。

以上の内容を正しく理解して頂き、

前年の確定申告の書類の数値と、

営農口座の数値を入力してもらうと、

前年の資金繰りの表が完成します。

 

同様に、2年前、3年前の数字を入力していけば、

ここ3年の資金繰り表の完成です。

『今年の見込み』、『翌年以降の目標金額』を反映する

もし、あなたが既に今年の売上の予想金額や、

来年以降の目標金額などの計画があれば、

それも翌年以降の欄に記入して下さい。 

 お疲れ様でした

長い記事になってしまいましたが、

これで資金繰り試算表の数字については以上です!!!

次回の記事では、具体的な表の見方と、

あなたの今の実績、計画は安定しているのかどうか?

その解説をしたいと思います。

↓更新しました↓ 

 

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認定新規就農者の計画の立て方 解説記事の一覧

認定新規就農者になるには?

で、ご紹介した通り、

認定新規就農者になるには

5年後に『農業所得250万円』になるように

計画を作る必要があります。

 

その作り方を7回に分けてご紹介しています。

『まだサラリーマンやってる。農業やったことない!』

『農業の計画なんてホントにやったことがないよ!』

という方にも分かるように、

かなり噛み砕いて説明をしています。

 

『そんなこと言われんでも分かるわ!!』

という事も書いてありますが、ご自分のレベルに合わせて、

不要な情報は飛ばしたり、ナナメ読みしながら

進めていって下さい。

 

認定新規就農者の計画の立て方①白紙の計画表を入手する(青年等就農給付金)

 

認定新規就農者の計画の立て方②全て完璧にいった時の計算をしてみる

 

認定新規就農者の計画の立て方③コラム『農家として生き残るためには』

 

認定新規就農者の計画の立て方④足りない売上を増やす方法

 

認定新規就農者の計画の立て方④の補足 売り先を変える時の考え方

 

認定新規就農者の計画の立て方⑤5年後の売上足りた!?足りない!?

 

認定新規就農者の計画の立て方⑥必要な経費を算出する

 

認定新規就農者の計画の立て方⑦【結果】収入と支出の差額を確認する 

認定新規就農者の計画の立て方⑦【結果】収入と支出の差額を確認する

前回までの記事の内容を全て終えたら、

その年の『売上』予想(目標)と、『経費』予想(目標)が

算出されたと思います。

 

『売上』から

『経費』を引いて、

250万円以上の金額になっていれば

とりあえず認定新規就農者の要件の、

『5年目に250万円を稼げるようになる

 計画を作成する』

の、

『5年目』が完成したということです。

 

ちょっと投げやりな言い方になるんですが、

あとは5年目の金額に到達するように、

4年目、3年目、2年目、1年目を少しずつ減らしていけばOKです。

あくまで計画表なので、

現在(昨年の確定申告、もしくは今年の収支予想)の収支から、

5年後の目標金額まで階段状にしていけば給付金要件として許可は下りると思います。

 

ただ、当然のことながら、

『給付金のための計画』より、

『目標達成のための計画』にした方がいいです。

 

ただ単に数字を階段状にする、というだけでなく、

『5年後に面積が〇〇aに増えるんだから、

 2年後には✖✖aまでは増やさないといけない。

 ということは、ここで種代が増えて、燃料代も増えるから・・』

というように、

『数字の根拠』

を説明できるようにしておきましょう。

 

 

そして、念のために。

今回、記事を7つに分けて、

『認定新規就農者』になるための計画表作成の解説をしました。

この計画の時点で、

『250万円』という

農業所得に届かなかった方は、

残念ながら、今は専業農家の道を選ぶのは

待った方がいいと、私は思います。

 

時間があるときに別記事をご覧になってほしいのですが、

サラリーマンの『年収500万円』と

農家の『農業所得500万円』では、

同じ500万円でも、実際に使える金額が違うのです。

 

ザックリ言うと、『農業所得250万円』あったとしても、

その一部を来年の運転資金に回したり、

今後起こりうる機械トラブルに向けて、

積み立てが必要だったりします。

 

『農業所得250万円』あれば

『認定新規就農者』として認められるかもしれませんが、

実際のお金の使い方としては、

独身で節約しまくって何とか生活できるレベルだと思います。

 

話が少し脱線しましたが、

その、250万円に、

計画の時点で届いていないのなら??

それは、『産業』として、成り立っていないということです。

何か副業をしたり、配偶者や親御さんなどご家族の支援がないと

生活できないのが『確実』だと思われます。

 

それでも、農業がやりたいのなら、やってみればいいと思います。

私自身、就農して最初の頃はザルのような計画で取り組んでいましたので、

人のことを言える立場ではありません。

ただ、給付金はMAX5年で無くなります。

せめて。せめて『目標』『計画表』の上だけでも、

250万円(出来ればもっと大きな数字)を

クリアできるようにしてから、農業スタートした方がいいと思います。

そこで無謀な挑戦をすれば、

確実にあなたと、あなたの周りの大切な人が大変な想いをします。

 

『面積が足りないのか?』

『売り先がいけないのか?』

『そもそも栽培する作物が自分に合っていないのか?』

『もっと経費を抑える栽培法はないのか?』

 

しっかり考えてみて下さい。

調べてみて下さい。

実際の農家を訪ねてみて下さい。

『あぁ!!!この方法なら大丈夫だ!!行ける!!』

というアイデアが出てきたら、

数字が上に伸びるようにまた計画を修正して下さい。

その繰り返ししか、計画を改善させる方法はありません。

 

7回に分けて解説した、

認定新規就農者の計画の立て方、

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

今後も農業経営や、アイデアについて更新していこうと思いますので、

ブックマーク(お気に入り登録)など、

アクションよろしくお願いいたします。

 

お疲れ様でした!!!

認定新規就農者の計画の立て方⑥必要な経費を算出する

お疲れ様でしたぁぁぁぁーーー!!!

お疲れ様でしたぁぁぁぁーーー!!!

前回の記事までは、

『売上を上げる方法』を

とにかく考えて頂きました!!!

売上については、とにかくあなたのアイデアが全て!!

『〇〇を作りたい』『売り先は✖✖にしたい』ということについては、

他人が決めることはできませんからね!!

 

しかし、この記事で取り組む経費(支出)は、

基本的に、アイデアをひねり出す必要はありません!!!

『いくらかかるかな?』という調査や、計算は必要ですが、

淡々と調べていけば、全ての数字は埋まります!!

認定新規就農者の書類完成まで、もう少し頑張りましょう!!

 

目次(クリックすると、該当の段落に移動します)

経費について簡単に説明します

まずはこちらの書面をご覧ください。

税務署に行ったらもらえる、農業用の確定申告(主に青色申告ともいう)の書類です。

他にも数枚書類がありますが、こちらの書類に、

『1年間農業をした結果、〇〇円お金を手にしたよ!』(収入金額)

『1年間農業をした結果、✖✖円お金がかかったよ!』(経費)

という金額を記入していきます。

そして、その差額を『所得』(年収)として、税務署に申告するわけです。

 

で、今回の記事のテーマ、経費ですが。

ご覧の通り、こちらの書類には、農業でかかりそうな経費の内訳が

最初から記入してあります。

番号で言う所の⑧~㉕ですね。

まだ確定申告をしたことのない人は、

この項目に従って数字を埋めていくのがラクだと思います。

ただ、この項目は、申告する人が経費を振り分けやすいように、

自分で内訳を追加したり、内訳の名前を変えてもいいそうです。

私は、

空欄㉖の所に、『出荷手数料』を。

空欄㉗の所に、『広告費』を記入して使っています。

あなたも何年か確定申告を自分で続けていると、

『自分はこの費用のこともしっかり内訳で見られるようにしておきたい』

という項目が出てくると思います。

その場合は、その項目を空欄に入れて使ってみてください。

それでは、通常の農家が使う経費の項目を紹介しながら、

どうやって金額を算出するかご説明します。

計算のやりかた

今から、⑧~㉗の経費項目をひとつずつ紹介し、

経費の計算方法を説明します。

国税庁のホームページから、

青色申告の書類をダウンロードして印刷して、手書きするか、

エクセルなどに、項目名と金額を打ち込んで合計してもらいます。

その合計が、あなたの農業で1年間にかかる『経費』(支出)ということになります。

ひとつずつ計算して記入していって下さい。

⑧租税公課

農業で得た所得に応じて支払う、税金を主に記入します。

所得税というやつです。

※自動車税や住民税などはコレには入りません!

今、あなたが取り組んでいるのは

『250万円の所得(年収)を得るための計画』ですので、

2018年現在の税率で計算して、

6万円という金額を入力しておけばいいと思います。

コレはもう細かく考えなくていいです。

⑨種苗費

★野菜の種、苗などにかかる金額を入力します。

調べておく情報

あなたが栽培したい野菜の種、苗はどこに売っているのか?

また、金額はどれだけの量がワンセットいくらで売っているのか?

計算方法

前回の記事で計算してもらった、あなたの野菜の収量を基準に逆算します。

例①)収量から逆算する

キャベツ10000玉出荷する場合の苗代を計算しましょう!

10000玉収穫するためには、

生育不良なども考えて1、3倍の苗を植える必要がある

10000×1.3=13000

農協に苗を注文すると、128株の苗が1500円で売っている

13000÷128=約102 →102枚の苗箱が必要となる。

102枚 × 1500円=153000円

キャベツ10000玉収穫するには、153000円の苗代が必要となる

 

例②面積から計算する

野菜のタネのカタログや、農協さんなどでもらえる、栽培ごよみなどに、

『ニンジンのタネの量の目安。1反あたり〇〇粒、または✖✖ml』

とか書いてあるものがあります。

あなたの栽培面積に照らし合わせて、そのトータルの数量を計算。

あとは、カタログなどにある単価を掛ければ算出できます!

 

栽培する作物が複数ある方は、

当然、それぞれに必要な種や苗の量を計算して、合計して下さいね。

 

⑪肥料費

文字通り、肥料代金です。

JAやホームセンターで買える肥料から、

他のお店から仕入れる有機栽培に必要な肥料。

堆肥などもここに計上します。

作物によって肥料費用は全く異なりますが、

農協などでもらえる栽培ごよみや、タネのカタログなどに載っている

『肥料はこれくらい入れましょう』という施肥(せひ)の表などを参考に、

堆肥は1反あたり〇〇kg入れる、肥料は1反あたり✖✖kg入れる

などという数量を計算して、

それに肥料の単価を掛けて、算出しましょう!!

⑬農具費

クワとか、小さめの機械の金額などを合計します。

私の経験では、農具を毎年毎年、同じモノを買う事は少ないので、

あまりこの金額は大きくならないと思います。

ただし、買うものが思い当たらない方も、

イレギュラーがあったりするので3~5万円程度は計上しておきましょう。

 

⑭農薬衛生費

農薬、除草剤などにかかる費用はここに入れます。

あなたのやりたい栽培にもよりますが、

『この野菜を育てるまでに農薬はだいたい4回』とか、目安があると思います。

その回数に、必要な農薬の量と単価を調べて、計算しましょう。

⑮諸材料費

私の作物の場合、『マルチングフィルム(通称マルチ)』が必要なんですが、

そういったものはここに計上します。

他にも、支柱、作物を育てるためのネット、ビニールハウスの消耗品など、

ここに記入していきます。

あなたの作物を育てるのに必要な資材を確認し、

1年間でいくら必要なのか計算しましょう。

例)ジャガイモを栽培の場合に必要なマルチの金額

50mの長さの畝が、40本必要。

→合計2000mのマルチが必要

→200m売りのマルチが10本必要。

単価2000円のマルチが10本

→マルチの金額は20000円

 

 

⑯修繕費

機械や、作業場の修繕などにかかる費用を入力します。

ベストなのは、近所で同じ作物を作っている人に聞くこと。

『この機械は5年に1回メンテナンスが必要。その時は10万円かかるね』

と言われたら、年間2万円の修繕費がかかるわけです。

機械や、ビニールハウスがたくさん必要な人は

自然とコストが増える項目です。

この金額は、イレギュラーなので予測がたちにくいのですが、

とりあえず、甘めに見て5万円(月額4000円計算)、

厳しめに見る方は30万円(月額25000円計算)

くらい入れておけばいいかな、と思います。

あくまで計画ですから、アバウトで構いません。

⑰動力光熱費

作業場の電気代金、トラクターの軽油代金、

軽トラックのガソリン代金など、入力しましょう。

トラクターの大きさなどによっても違うので、ここは何とも言えませんが、

もしご近所に同じ規模の農家さんがいれば、

年間で何リットルくらいの軽油が必要か

聞いてみてください。

頼れる農機具屋さんがいれば、

そちらに問い合わせてみるのもよいと思います。

⑱作業用衣料費

長靴、作業着、手袋などを入力します。

既に用品がそろっている方は、

そんなに高額にはならないと思いますので、

2~3万円(月額2000円計算)あればいいんじゃないかな、

と私は思います。

まだ何も買いそろえてない方は、農業に必要な衣料品は、

何がいくらするのか、計算しましょう。

⑲農業共済掛金

青色申告の用紙に最初から記入されているこの欄。

私は今のところ毎年ゼロ円のままです。

共済(保険)を掛ける人は、

あなたの畑の規模や、収量を計算したうえで、

JAや、保険の担当者に年間どれくらいの掛け金が必要か

聞いてみてください。

 

⑳減価償却費 ※重要!!

一言で言うと、

『農機具屋さんと税務署に行って確認しよう!!』

なのですが、簡単に概要を。

ここ、結構重要なので、また改めて説明しようと思いますが、(準備中)

20万円以上の大きい買い物をしたら、

確定申告では

『新車価格で購入した金額を、

 耐用年数で割り算した金額を

 1年間の経費にし、耐用年数の年繰り返す』

というルールがあります。

 

機械の種類や

新品、中古によって年数が違いますが、

これから大きな機械を買う予定がある人は、

その機械の金額を農機具屋さんなどで調べたうえで、

その合計金額を耐用年数で割り算したものを記入して下さい。

例)140万円のトラクター(新車)を購入

140÷7=20

20万円を計上

 

上記は一例ですが、年によって税金のルールが変わることもあるので、

ルールが把握できていない方は、

農機具屋さんとJAの確定申告アドバイザー、

税務署の担当者に、『この機械を買ったら減価償却費はいくらですか?』

と聞いてみましょう!

 

㉑荷造運賃手数料

農協などに出荷する場合の送料。

宅配便を利用する方は、運送業者に払う金額。

また、箱詰めにかかる段ボール代金やガムテープ代金もここに計上します。

農協などに出荷する方は、担当者に箱の代金や、送料等聞いてみましょう。

自分で運送業者に出す予定の方は、

郵便局や、クロネコヤマトの担当者などに、

見積もり(数量が多くなれば一般の人より安くなるかも?)を取ってもらいましょう。

市場出荷や、産直に出荷する人は、

年間通して、産直市にこれくらい野菜を出すよ!

という数字に手数料率(15~30%が相場)を掛け算した数字に加え、

出荷で決められた箱や袋、テープの代金を足したものを

荷造運賃手数料に記入します。

 

また、自分で宅配便を送る人は、

年間に送る箱の数 × 送料

に、段ボールなどの箱代金、袋代金を足したものを

荷造運賃手数料に記入します。

㉒雇人費(やといにんひ)

『俺は人は雇わん!!!俺が全部やる!!』という方は、ゼロ円でOKです。

もし、誰かにお手伝いをお願いしたい方は、

1か月に何時間くらいお願いしたいのか、だいたいのでいいので計算。

時給は、余裕を見て1000円~1100円くらいを見ておくと、

あとの調整がラクだと思います。

それを掛け算したものを、この項目に記入します。

㉓利子割引料

大型の農機具を買ったりする際

JAなどから借金をする方は、ここに支払う利子の金額を記入します。

借金するつもりがない方は当然ゼロです。

大型農機具を買ったりする方は、JAなどの金融機関の担当者に、

金利の計算をお願いして、予定の利子を記入します。

複数年で返済する借金をしたとしても、

ここに記入するのはあくまで1年分の利子の金額なのに気を付けて。

それと、よく勘違いされるのですが、

ここに書くのは『利子』の金額のみです。

借りる『元金』は含まれませんので、ご注意ください。

㉔地代賃借費

自分の親戚の土地を借りる場合、ゼロ円のこともありますが、

他人の土地を借りる場合、だいたい

『1年間の金額は1反あたり〇〇円で』という取り決めを交わすと思います。

借りる面積と、1反あたりの金額をもとに算出して下さい。

㉕土地改良費

水田、畑などを国や市町村の事業で、

区画整理、土地基盤整備事業、というものがあります。

その事業を実施した水田、畑の持ち主は、

『何年かに分割して、その費用を払う』

という約束を交わしているのですが、

その金額をここに記入されているそうです。

私の身近の新規就農者で、この費用がかかっている人はいないので、

正確なアドバイスができないのですが、

とりあえず地域のJAや、市役所、土地の持ち主さんに

『区画整理』とか、『土地改良費』という単語の問い合わせをしてみれば、

自分が払う金額はあるのか、ないのか分かると思います。

 

以下は私が勝手に入力している項目です 

農業のスタイル、売り方によっては役に立ちませんが、

一応ご紹介しておきます。

㉖(自分で入力)出荷手数料

先ほどの㉑、荷造運賃手数料で『産直などの手数料も加える』

とありましたが、私の出荷先の場合、産直市の比率が高いので、

出荷手数料だけ、自分で項目を作っています。

荷造運賃手数料の方には、宅配の送料、箱代やテープ代金、袋代金を

合計するようにしています。

手数料の金額をしっかりチェックしておきたい方は、

分けておいたほうがいいかもしれません。

㉗(自分で入力)広告費

使用頻度は高くないのですが、

FacebookなどのSNSで、野菜の広告を出すことがあります。

その時の費用は、この広告費として計算します。

 

野菜栽培ではあまり使わない項目

⑩素畜費

⑫飼料費

 は、畜産農家の方向けの項目なので、

私は使っていません。

 

お疲れ様でした。経費の計算は以上です

以上で、農業にかかる経費の計算は以上です。

この経費の合計は、いくらになりましたか!?

次の記事でまた紹介しますが、

『売上』から、『経費』を引いたものが、

『250万円』以上になっていれば、

とりあえず計画書としては完成です。

計画通りにいくのかどうかはさておき、

150万円の給付金を受け取るための、

計画表 は、ほぼ完成したと思ってもらってよいです。

次回の記事で、また確認をしていきましょう。

 

認定新規就農者の計画の立て方⑤5年後の売上足りた!?足りない!?

前回の記事と、前々回の記事では、

作物の収量を上げる栽培方法を探し、

あなたにベストな売り先を考えてみて

『5年後の予想売上』が『500万円』以上になったか!?

を確認してもらう、というお話しでした。

 

500万円を超えた人も

まだ足りなかった人も、

この記事を読んで、

自分のやるべき事を確認しながら頑張りましょうー!

 

 

目次(クリックすると、該当の段落に飛びます)

500万円を超えた人!!!次のステップ、経費計算へ!!

何はともあれ!!!5年後の予想売上が500万円を超えた方!!!

おめでとうございまーーーーーーーーーーーす!!!

この計画を達成できるように、これからまたやるべきことを頑張りましょう!!!

500万円を超えた方は、次のステップ

『経費を当てはめてみる』にすすみます。

 

この記事の残りは『500万円に届かなかった人』へ向けた記事になりますので、

とりあえず飛ばしてもらってもよいですが、ちょっとご注意を。

①(前回計算時に)収穫した野菜を全てA品で計算している方

前回の記事で、

『細かい計算が苦手な人、収穫のA.B.C品の割合が分からない人は、

 全部A品が採れたという前提で数字を出してみよう』

と、書きました。

そういう人は、あなたが算出した数字の6~8割が、

実際の予想売上だと思っておいて下さい。

もし、6~8割かけた金額が500万円以上(例750万円×0.7 =525万円)

なら、とりあえず次の記事、経費の計算に進みましょう。

 

6~8割を掛けて、500万円に届かなかった方へ・・・。

あくまで計画なので

『これから5年間豊作じゃったら、

 うちの農園はこれだけ売上げるでー!!ガハハ!!』

 という計算で役所の担当者に提出しても恐らく受理されます。

というか、恐らく担当者も、この計画書が豊作前提なのか、

不作前提なのか、その間を取ったものなのか、なんて、判断は不可能です。

数字が整っていれば、認可はおそらく下りるでしょう。

ですが、どうせ数字を計算するのなら、

最低限予想される数字(今回の場合は、B品、C品の値下がり具合)を織り込んでいたた方が、これから農業をスタートして予想される金銭の不安を軽減できます。

ぜひ自分に厳しく、計画に厳しくやってみてください。

 

②計算金額が500万円ギリギリだった方へ

同じく、A.B.C品を分けて『何とかギリ500万円になった・・』

という方も、経費を計算し終えた際に

『やっぱり予想売上500万円だけだと、

 250万円の所得(年収)にならなかった・・・

 もう100万円は追加で売上ないとダメだ・・』

などという時には、やはりこの記事の内容が重要になってくると思います。

よければ目を通して見てください。

 

予想売上が500万円超えなかった場合に考えること

先に結論を書いておきましょう!!

①★必須★他の農家の情報収集!!

②畑の回転数を増やす・面積を増やす

③人を雇う・手伝いをお願いする

④機械、道具などを購入する

⑤栽培方法を特殊なものにしてみる(ブランド化)

⑥加工、レストラン経営など、6次化を考える

⑦売り先を改めて考える

 

です!!

この①~⑦を繰り返し試行錯誤しても、

売上500万円に届かない場合。

就農断念も考えて下さい。

残念ながら、今はあなたは就農しない方がいいのかもしれません。

その話はこちらの記事でお話しします(準備中)

①★必須★他の農家の情報収集!!

自分の作物の売上、畑の面積、売り先・・一生懸命計算して・・・

それでも500万円に届かない場合、まず、すべきことは

『情報収集』です。

同じ地域で安定経営している農家、

同じ作物を作っている農家(特にあなたより面積が広大な農家)

そういった農家とあなたを比べて、何が違うのか

情報を集めてみてください。

幸い、2018年時点で、農家同士の交流というのは結構手軽に行えるようになっています。

インターネット検索、SNS内検索などで

『トマト農家』『経営者』『売上高』『すごい』『大規模』

とか、作物と『プラスイメージの言葉』を検索すると

色々なブログやホームページが出てきます。

そのブログや、記事から『あなたと何が違うのか』を感じて下さい。

『うおぉぉぉ!!この人すごい!!会ってみたい!!畑を見てみたい!!』

という人に運よく出会えたら、メールやFacebookなどで連絡を取ってみて、

直接会いにいってみるもよし、

メールなどで情報交換させてもらうのもいいかもしれませんね。

自分に足りないものは何なのか。

面積なのか、機械なのか、人手(労働力)なのか、売り方なのか。

まずはそれをしっかり他者から学んでみてください。

 

②畑の面積を増やす

 コレが恐らく、新規就農者の『売上が上がらない原因』で多いものです。

どんなに良質な野菜を作って、いい価格で販売しても、

『量が足りない』と、なかなか500万円という数字には届きません。

以前、たとえ話で

『やる気があっても、

 タタミ一畳の畑しかなければ、

500万円という売上を上げるのは困難だ』

と紹介しました。それは皆さん、理解してもらえると思います。

では、あなたの面積で、目標達成は可能なのか?

『先祖代々の土地だから』をはじめ、

『今の土地だけで何とか農業を仕事にしたい!』という人は少なくないと思いますが、

農業において、『面積の広さ』というのは大事な武器であり、指標です。

『今の面積で本当に朝から晩まで大忙し!!休日もないよーー!!』

という人は面積を増やすという選択肢が『無謀』なように見えるかもしれませんが、

 『作物の売り先は確保できている。

 面積を2倍に増やしたら売上も2倍になる』のであれば、

挑戦してみる価値はあります。

 

『面積増やしたら、人手が足りないじゃん!!』というあなたは、

次の③、④をご覧ください。

③人を雇う・手伝いをお願いする

収量が足りないなら、面積を増やそう!!と②で言いましたが、

『今でさえ休日返上で畑に出てるのに、これ以上増やすのは無理!!』

と思っている方は、人を雇う事を考えてみましょう。

私自身は、ほんの少しですが、2017年に初めてアルバイトを地元の方にお願いしてみました。1週間に7~8時間程度(月に4~5日程度)のヘルプでしたが、

予想以上に売上が上がり、しかも自分の負担は肉体的、精神的にラクになりました。

2018年も、忙しい時期の単発のアルバイトをお願いするほか、

秋~冬の間、毎日収穫作業を手伝ってくれるスタッフさんをお願いしようかなぁと

考えています。

『でも、売上上がってもバイト代の支払い(経費)が負担になるのでは?』

と考える方もいると思いますが、私が実際、2017年にバイトをお願いしてみての収入UPと支出のバランスを説明してみると

『バイト代が1万円かかったけど、売上は2万円増えた』

という感じです。

人を雇う時に注意したいことは、別の記事でまた説明しようと思います(準備中)

ですので、初めから『自分に人を雇うのは無理!!』と決めつけずに、

『もし月に人を〇〇日 雇ったら、今より面積を△△㎡広くしても大丈夫だな』

とか、前向きに色々と考えてみてください。

いつも言ってますが、これは計画の立て方のオハナシです。

まずは、『雇ってみたら、スタッフさんがやる気でとてもはかどった!!』

という、計画が成功する前提で、計算をしてみましょう!

④機械、道具などを購入する

 ②で『これ以上面積を増やしたら、人手が足りないよ!』という心配をしていて

なおかつ③の『人を雇う』ことはなるべくしたくない!!

でも売上はもっとあげないといけない!!

という方は、何か機械を導入するしかないでしょう。

 

今の日本の農業機械、スゲーです。

必ず、あなたの作物に応じた『専門の機械』が存在します。

『あなたの作りたい作物名』と、『農機具』とか、『農機具メーカー』とかを

検索してみてください。

定植の機械、土寄せの機械、水やりの機械、収穫の機械、袋詰めの機械、などなど

えーーーー!!こんな専門の機械があるの!?マニアックすぎだ!!!

って叫びたくなるくらい、機械が出てくると思います。

それと、農機具をインターネットで購入する人はまだまだ割合として少ないので、

やはりあなたの作っている作物の『大産地』に行ってみたり、問い合わせしてみる事です。

キャベツの機械を探している野菜なら、

やはりキャベツの産地の農家に聞いてみて下さい。

運がよければ、離農する方が『不要じゃけぇ君に格安であげよう』

ってこともあるかもしれませんしね。

 

産地にいけば、当たり前にある『専用の機械』ですが、

産地以外では農機具屋さんですら、その存在を知りません。

『農機具ならうちに任せろ!!』というあなたの地元の農機具屋さんも、

野菜の大産地の専用機械なんて、なかなか見る事が無いんです。

でも、あなたがインターネットや、産地に行って機械を見てくれば、

 

地元の農機具屋さんに

『群馬の〇〇っていう農機具メーカーの、✖✖っていう型番の機械が欲しい』

って言えば、ちゃんと専用機械を取り寄せてくれるはずです。

当然、その農機具屋でメンテナンスもしてもらえるはずです。

当然、専用の農機具を買うとなると、

安くても50万円とか100万円とか、

もっともっと高いお金がかかります。

ですが、

・年間の収量が上がる

・自分の負担が減る

・面積を増やしてもちゃんと管理できる

とかメリットがあるなら、その購入は検討すべきです。

当然、カタログを見始めたらアレもコレも

『この機械はいいなー!!欲しいなー!!』と思うでしょうが、

『絶対必要なもの』と『あったら便利なもの』の線引きは気を付けてください!!

⑤栽培方法、販売方法を特殊なものにしてみる(ブランド化)

あなたにも、農業におけるポリシーや、方針があると思います。

売上が足りないのは分かっているけど、

面積は増やせない。人は雇いたくない。環境に優しい栽培がしたい。

などなど。

となると、後は栽培方法を変えてみるしかないと思います。

私自身、あまり取り組んでいないところなので、

あまりアドバイスにならないかもしれませんが、

『有機栽培』『無農薬栽培』『炭素循環農法』『無肥料栽培』

など、検索するだけで、これまたすごい数の栽培方法が存在します。

こういった、『特殊な栽培』に挑戦するのは、誰でも出来ますが、

それに加えて『自分ならではのストーリー』を伝え、

『価格の高い野菜』として売ることが重要。

あくまで個人的な感想ですが、

手間をかけて、時間をかけて、特別な野菜を作ったのに、

普通の野菜と同じ価格で販売をするようなら、

それは単なる非効率な野菜作りをしているだけです。

⑥加工、レストラン経営など、6次化を考える

同様に、最近よく言われる農業の6次化。

確かに、文字通り付加価値をつけやすい方法ですが、

野菜と加工品では、売り先が全く異なります。

そして、加工品を製造する施設や、スタッフが必要になる場合が多いです。

 

特殊な栽培、加工品に取り組む場合、共通の課題ですが

普通の野菜が欲しい という人とは違う人に、商品を売る必要があります。

そのための販売努力が必要となります。

もし、特殊な野菜や、素晴らしい加工品が完成して、

それをいい価格でお客さんに買ってもらえたなら、

今までよりも売上金額が大きくなるのは間違いないです。

面積を増やす、機械を買う、よりも、意外とハードルが高いかもしれませんが、

『コレだ!!』と思うものがあれば、考えてみてください。

⑦売り先を改めて考える

 最後は、①~⑥までの検討をめぐらせた後の話です。

例えば、前回の記事で、

年間1万袋のジャガイモを出荷していたとして

農協、産直市、スーパー、飲食店など

『どこに売りにいけば売上がいちばんよくなるか?』

をあなたに考えてもらいました。

キチンと考えて下さったなら、それがその時の正解だったと思います。

しかし、今回の記事の①~⑥の

面積を増やす、機械を入れる、人を雇う、特殊な売り方をする

などを試みたのなら、

当初想定した数字より、

収量が増えたり、

単価が上がったりしているはずです。

『ジャガイモ1万袋だったら、飲食店と産直が一番いいと思っていたけど、

 ジャガイモ3万袋になるんだったら、

 デパートとスーパーに取引した方がいいんじゃないか?』

のような感じで、数量や単価が変われば、

売り先のチョイスも変わるはずです。

再度質問!!売上金額はいくらになりましたか?

面倒なようですが、

手持ちの野菜の量がどれだけあって、

どこに配分するのが最適か、計算してみてください。

面積を増やすなど、根本的に経営を見直したうえで

売り先までキッチリ計算すれば、

恐らく500万円以上の売上金額になっているハズです。

改めましてお疲れ様でしたぁぁぁぁーーー!!!

もし、届いていなければ、また面積を増やすか、

そもそもの作物を変えるかですね。

 

さぁ!!売上を増やすお話はとりあえずここまでです!!

次からは、出ていくお金、経費のオハナシです!!!

売上は、色々とアタマをフル回転させて大変だったと思いますが、

経費は、割と淡々と調査と計算をするだけですので、

あとはラクーーーーにやりましょう!!!

とりあえず、コーヒーブレイクして落ち着きましょうーー!!!

休憩したら、次の記事でまたお会いしましょう!!!

次の記事(準備中)

認定新規就農者の計画の立て方④の補足 売り先を変える時の考え方

前回の記事では

作物の売り先を変える時のポイントは 

『あくまで全く同じ商品(農産物)を扱う』

『売り先で異なる経費、手間の事を ”少しだけ” 考える』

と、紹介しました。

この記事では、その意味を詳しく解説します。

 

 

 

目次(クリックすると、該当の段落に移動します)

 

★同じ商品を扱う ということは?

少し分かりにくい表現になってしまいましたが、

簡単に言うと、今 検討しているのは、

『売上を今より上げるために、売り先を変えてみよう』

ということなので、

『どの売り先に変えたとしても

 出荷される商品(作物)は、全く同じ!』

という考えでいて下さい。

・・・当たり前の話じゃね?・・・何言ってるんだお前・・・?

と、思われるかもしれませんが、重要な事なので指摘しておきます。

簡単に言うと・・・A品B品C品を分類しておく

出荷される商品は全く同じ!!

というのは、

『作物の出来栄えも一緒!!』と考える必要があります。

出来栄え、というのを

農業界で良く使われる言葉

『A品(優秀)』

『B品(少し問題アリ)』

『C品(問題アリor出荷不可』

を使って解説します。

計画立てるの初心者です!!という人は、全部A品にしちゃおう

前々回の記事

全て自分の理想通りに作物が育った場合で計画を立ててみる

という提案をしました。

『まだ計画を立て始めたばかりだから、難しい計算が出来ないよー!』

という方は、

『今回の作物の出来栄えは全部A品だった!!』

という前提で話を進めましょう。

詳しくは前々回の記事で述べましたが、

栽培した作物が、全てA品になるなんてことはありえませんが、

今必要なのは、あくまで

『認定新規就農者のための計画』や、

『こうなったらこういう結果になるだろう』という考え方です。

全てA品で、計算や計画が立てれるようになれば、

もう少し難しい計画を立ててみましょう。

今までの経験がある方は、A品B品C品の割合を考えてみよう!

また、『農業を数年やったことがある』という人や、

『親父やじーちゃん、近所の人に聞けば、作物の出来栄えの割合がわかる』

という方は、

『この作物のA、B、C品割合はこのくらいになるだろう』

という事が、だいたい分かるはずです。

あくまでだいたいでいいので、

例:ナス

『A品:5割

 B品:3割

 C品:2割』

という指標を決めて下さい。

これを元に、『自分はどの売り先を選ぶのがいいか』を考えます。

 

売り先別、メリットとデメリットをご紹介

これは、私自身が5~6年、色々と売り先を自分で発掘してきての経験です。

作物や、地域によって、条件は異なると思いますが、

今まで売り先に対する調査(マーケティング)をしていない方には、

参考にはなると思いますのでご覧ください。

市場出荷、農協出荷

メリット

・必ず全量買い取ってくれる

・農協、市場を通すので、代金回収の手間が少ない

・代金の未払い、踏み倒しの心配がない

デメリット

・自分で値段を決めることができない

・出荷し終わった後でないと、いくらで売れたのかが分からない

・自分で栽培方法を工夫しても、あまり金額に反映されない

・出荷した野菜は、『名もなき野菜』となり、自分のこだわりなどは紹介できない

・大きさ、カタチなどに厳しいため、B品、C品はそもそも出荷できない場合がある

・作物によっては袋詰め、箱詰めの厳しいルールがあるので、意外と手間がかかる場合がある

 

★言わずと知れた、『一般的な農家』の出荷方法。

近所の農協や、市場に野菜を持ち込めば

それで出荷作業は終了。農協や市場を通して、

地元、もしくは全国のスーパーなどに運ばれます。

産直市、スーパーなどの『地場野菜』ブース

メリット

・自分で価格が決められる

・お店のルールにもよるが、B品、カタチの悪い野菜なども出荷できる

・自分の想いや、こだわり、栽培方法などをアピールできる(ブランド化)

・基本的に、代金回収が簡単。請求書などは不要

・レジでのお金のやり取り、販売などはお店の人にやってもらえる

デメリット

・売れ残った場合は基本的に廃棄(もしくは自分で持ち帰り)となる

・同じ地域の人が同じ野菜を作っている場合、店内に同じ商品があふれ、廃棄率が高くなる

・年金暮らしの農家、家庭菜園の農家など『あまり稼ぐ気のない農家』が多い場合、

 とんでもない安値でないと商品が売れない場合がある

・販売金額に応じて手数料がかかる(だいたい15%~30%程度)

・自分が頑張っても、お店そのものに人気が無ければ、商品が売れない場合がある

★新規就農した人が、一番とっつきやすいのが、産直市への出荷です。

年会費を2000円~3000円程度払い、ルールさえ守れば、

地元の産直市、スーパーへの出店は歓迎される事でしょう。

一般的に市場出荷よりも有利な価格で販売できますが、

売れた分しかお金になりません。

上手に自分の商品や、こだわりをアピールできれば、

『あなたのファン』(リピーター)を作れますので、少しずつ少しずつ、

増やすことが出来るでしょう。

ただし、あなたと同じ野菜を作る農家が多ければ、やはり安い方の商品が選ばれる事が多いです。『ワシは年金暮らしじゃから、儲けは少なくていいんじゃ』という心優しいおじいちゃん、おばあちゃんが多ければ、はっきり言って勝ち目はありません。(経験談)

逆に、他の農家があまり栽培していない時期に野菜を出荷できるように調整する事が出来れば、かなり売上UPが期待できます。

 

スーパーなどの販売店と直接取引をする

メリット

・お店に引き渡せた時点で、(産直市と違って)売れ残りの心配はない

・市場出荷とは違うので、

 アピールするためのシールなど(POP)で、自分の売り込みが可能。

・チェーン店になっているスーパーの場合、〇〇店で人気の商品になれたら、

 『✖✖店にも同じ商品を出荷して欲しい』など、次の販路が広がる

デメリット

・価格はお店と要相談となる

・産直市と違い、1回あたりの出荷量(袋数)が多い場合が多い。

・同じく、『毎日〇〇袋出荷して欲しい』と言われる場合が多い。

 (月水金出してね、とか、欠品になり次第追加してね、とか)

・注文の対応、請求書などのやり取りなどの時間が取られる。

・スーパー側の利益を上乗せして販売するため、

 当然、お客さんが買う店頭価格よりも、安い価格でスーパーに売ることになる

(産直の手数料と同じ程度の差額なら問題ないが、あまりにも買い叩かれる場合は農家が損してばかりになる)

★産直市もスーパーも『袋詰めする』所までは同じ出荷作業となりますが、

産直市は『売れた分だけ』の収入となります。

対して、スーパーは『お店に搬入した』時点で、契約は基本的に完了。俗に言う『買い上げ』というやつです。

金額についてですが、

例えば1つ100円の商品をスーパーで一般客に販売される場合、

農家からスーパーへはその60円~80円程度(つまり6割~8割程度)で販売されます。産直市の場合の手数料のように考えてみると、スーパーに手数料を2~4割程度払っている、とも考えられます。

ただ、前述のとおり、『買い上げ』ですので、産直の方が利益率がよかったとしても、

『売れ残りを心配せずにたくさん出荷したい』という方にはオススメです。

ただし、逆に農家の限界を超えた注文が来る場合もあります。

私も、コレが原因であまりスーパーとの取引はありません。

自分の農場で複数の野菜を作っている場合、

『月曜はトマトを出荷。火曜はピーマンを出荷、水曜は野菜セットを作る日』

みたいに、今までの定番の予定があなたにもありますよね?

スーパーは、新鮮な商品をたくさん並べたい、というお店なので、

『月曜から金曜まで、毎日トマトを100袋ずつ出荷お願いします!』

とか、お願いが来る場合、

『えっ・・注文は嬉しいけど、毎日100袋も袋づめする時間がない・・』

『トマト以外の野菜の世話が出来なくなるなぁ・・・』など

スケジュール調整が大変になることが予想されます。

逆に、『うちは1つの野菜しか作ってないよ!』という人や、

地域でグループを作って出荷したりする人は、産直市よりもスーパーの出荷の方が

効率がよくなるかもしれませんね。(私の場合は、作物複数、家族経営なので無理でした)

 

デパートへ販売する場合

メリット

・スーパー、産直よりもいい価格で取引ができる

・『質のいい野菜』を求めているお客様が多いので、気に入ってもらえると

 リピーターになりやすい

・『デパートに出荷している』という事を、他の産直市や直販でアピールできる

・一般的に、スーパーよりは出荷量が少ないため、スケジュールには余裕がある

デメリット

・質の高い商品が求められるため、虫食い、腐りなど含め

 『産直だったら許される』程度の問題も、トラブルの対象になる。

・味やクオリティがよくない、と判断されたら、すぐに注文がこなくなる

・注文受付、請求書などの業務に時間を取られる

★私自身も、デパートと取引をした事がありますが、とにかく品質第一!!

(スーパーなども同じですが、)『天気が悪かったので~』『イノシシにやられまして~』など、言い訳できません!

『あなたの野菜を気に入った!!高い金額で買うよ!!』と言ってくれているのですから、それに応えるのは当然のこととも言えます。

知り合いの農家とデパート出荷について話をした時にその人が

『デパートは神経使うよね!イメージで言うと、

 今日1日で平均して収穫できる野菜が100あるとして、

 デパートに出せるのはそのうちの10くらいが限界。

 残りの90を、市場出荷とか、産直に出してるよ。

 もし、天気が悪かったりして、収穫できる野菜が50とか、40になった時でも

 『10』なら何とか出せるけど、毎回『クオリティの高い50』の野菜を出荷しようとしたら、胃がキリキリしてしまうよ(笑)』

とおっしゃっていました。私もデパートと取引した時に、MAX100しか収穫できないのに、50~60の出荷を約束してしまい、大雨が降って、収穫がすすまず、

お詫びの電話を入れたことがあります。

余裕を持った出荷量の計算も必要ですね。

ただし、一度気に入ってもらえたら

『お客さんがあなたの野菜を取り寄せてくれ、と言ってるんだが、

 無理を承知でもう一度送ってもらえないか?』と嬉しいリクエストの電話がかかった事もあります。高いお金を払って、野菜に期待を寄せるお客さんがいるのも、事実なので、

クオリティを維持できる人にはいい売場かもしれません。

個人宅へ販売する場合

メリット

・文字通り『お客さんの顔が見える』ため、やる気に直結する

・こちらの希望の価格で交渉が出来る

・ニーズを聞くことも出来るので、次回の栽培に意見を反映しやすい

・注文を受けてから発送するので、産直のように売れ残りの心配がない

・手数料などがかからないので、利益そのものは上がりやすい

デメリット

・『野菜セット』にする場合は、複数の野菜を栽培する必要がある

・配達の手間がかかる

・もしくは、送料がかかる(お客さんが全額負担してくれる場合は不要)

・代金を回収する必要がある(直接回収に行く、銀行振込のお願い、など)

・代金を踏み倒される心配が多少なりともある

・自分自身で顧客を発掘する必要があるので、宣伝、営業などの知識や実践が必要

★インターネットで、ブログやショップなどが、簡単に作れるようになったので、

『イチから新規就農しました』という人がよく取り組まれている

『個人宅への直販』です。

いい野菜を作ったり、あなたという人間をアピール出来れば、

市場出荷や産直よりも有利な価格で、しかも手数料ナシで取引ができます。

ただ、従来の農家が苦手としている

・『営業』(知ってもらう、買ってもらう工夫)が必要だったり、

・『経理』(ちゃんとお金をもらう。リストに記入する)などの手間が必要になります。

また、2018年現在、郵便局やクロネコヤマトなどにかかる

送料は、以前と比べ、高くなってきています。

この『送料』を農家と顧客がどう負担しあうのかが、悩みの種にもなります。

配送業者を使わず、自分で配達する場合も、ガソリン代金の他、『配達にあてる時間』の計算も必要となりますので、お気を付けを!!

 飲食店に出荷する

メリット

・ある程度規模のある飲食店の場合、

個人宅よりも、大量に野菜を送る場合が多いので、

作業効率がよい(袋詰め不要、新聞紙にくるむなどでよい場合も多い。

 じゃがいも10kgとか、ピーマン100個とか)

・市場出荷、産直市では敬遠されがちな『大きすぎる野菜』『小さすぎる野菜』や、

『訳あり野菜』を使ってもらえる場合がある

・いったん気に入ってもらえると、翌年も同じように取引してくれる場合が多い

・最近は『農家から直接買いたい』と飲食店サイドが考えていることも多い

 →思ったよりも、野菜代金を値切られない(経験談)

・『〇〇のレストランで使われています!』という実績が、他の産直市や

 個人宅への売上UPにつながる事がある(経験談)

デメリット

・飲食店のメニューが変わったり、

 こちらの野菜のクオリティが落ちたりなど、

 ニーズの変化があった場合、すぐに注文が無くなる

・飲食店からの注文や、フォローの対応が忙しくなる場合がある

・個人宅と同じか、厳しい基準で納品書、請求書などの経理業務が必要。

・飲食店側のルールに合わせて収穫、出荷するため、

 農家の方も時間的な制約や、事務手続きの制約を受ける場合がある

(〇〇時までに持ってきてくれ、何曜日に持ってきてくれ、振込先はこの銀行じゃないとダメだ、など)

・一般的に個人宅よりも量が多くなったり、高額のやりとりになるため

 代金の踏み倒しのリスクなどが多少高くなる。

★私が思う、一番効率のいい売り方なのがこの飲食店相手の野菜販売です。

最近は、チェーン店よりも、オリジナル要素が強い飲食店が人気になっている背景もあり、

飲食店側も『何か変わった特徴があるお店作りをしたい』と日々考えておられます。

その中で『こだわりの食材を使って料理をしたい』と考えられるシェフさんがかなりいらっしゃいます。

そういった方に、自分の事を知ってもらったり、こちらからそういった方を見付けたりして、いいご縁が見つかれば、かなり条件の良い野菜販売が出来ると思います。

ただ、逆に言えばデパートと同じく

『こだわりのある野菜』『とにかくうまい野菜』のどちらかを栽培できることが最低条件となります。『うちの野菜は普通の野菜です。スーパーのものと同じです』と言っても、シェフさんには多分興味を持ってもらえません。

 

 

かなり長文になってしまいましたが、

売り先の簡単な違いをまとめてみました。

 

A,B,C品を加味して、売り先、売上を試算する

さぁ!!ようやく話が本題に戻ってきました!!

おさらいですが、元々の話は、

『あなたの年間の売上金額を上げるにはどうすればいいか??』

そのために、『売り先を変えて、売上を上げよう』というお話しでした。

 全ての野菜の合計売上を試算しよう!経費は後回し!

今、まず計算して欲しいのが『売上』です。

『経費』(出ていくお金)である

『産直手数料』『袋代金』『送料』『宣伝費』などは、

まだ計算しなくて大丈夫です。

あくまで、

『野菜が売れたら何円になるかな?』

『どうすれば金額が最大になるかな?』 

を考えてみてください。 

 

前述の通り、計画を立てるのに慣れていない方は、

『全部A品が収穫できた!』という理想的な状況で考えて下さい。

★ 重要★ 野菜の収穫量は固定して考える!!

ただし!!前回計算したあなたの畑の面積と労力をもとにした

『今年のキャベツは500トン収穫予定!!』

とか、

『今年のキャベツは50000玉収穫予定!!』

とか、具体的な収穫の数量は必ず決めておいてください。

 

その『50000玉』とか、『500トン』を、

どこの売り場に割り振りするかが、今回の目的です。

 

市場出荷の場合の考え方

市場出荷の平均的な売値は、

お住まいの地域の新聞や、農業新聞、

地元JAなどに行けば、『市況』という情報があります。

市況には、作物別のだいたいの取引価格が載っています。

JAさんなどにお願いすれば、『1月の市況』『3月の市況』『2017年の市況』など、まとめたものがもらえると思います。

(作物によって『1束(たば)』『1kg』『1本』など、

規格が違うので、市況を初めて見る方は、詳しい人に、金額の読み方を教えてもらいましょう)

その価格を参考に、

『10月ころにキャベツを月間2000キロ出荷、

 1キロ100円だから、売上は月間20万円くらいになるな』

という数字を出してみて下さい。

 

★A,B,C品の割合を加味できる人は、

A品は1キロ100円、B品は80円、C品は農協へは出荷できない!

など、収量とキロ単価を変えて、計算すると、もっとリアルな数字が見えると思います。A品、B品の価格さなどについては、JAさんなど詳しい人に聞いてみましょう。

産直市の場合の考え方

同じように、産直に出荷する場合、

『キャベツ1つ150円で販売。

 でも、このヤマダ産直の規模なら、1日にせいぜい20個しか売れないかな。

じゃあ、150円が20個で3000円。

1か月のうち20日売ったら、ヤマダ産直では月に6万円の売上になるんだな。

同じようにタナカ産直にも30個ずつキャベツが売れたら、

月に9万円の売上になるから、産直で合計15万円の売上が見込めるぞ』

みたいな感じで計算して下さい。

★A、B、C品も加味できる人は、

A品、150円、B品100円、C品50円みたいな感じで計算してください。

繰り返しになりますが、あくまでこれは計画です。

今は、天気のこととか、他の農家の値段とか気にしないで大丈夫です。

 

スーパー、デパートの場合

スーパーやデパートに行って、

自分の作物がどれくらいの価格で売られているか確認してください。

販売金額に6割~8割を掛け算したものを、

あなたがスーパー、デパートと取引した場合の

単価と仮定してください。

あとは産直と同じように

『キャベツ単価120円で1日100個。

 月間20日出したら24万円だな』

てな感じで、計算して下さい

★A,B,C品が加味できる方は、

デパートへの出品はA品だけ

スーパーへの出品はA,B品だけ。

(C品は産直市や、個人宅配送にまわす)

と考えてください

飲食店、個人宅配送の場合

希望する野菜の単価を設定します。

それと、その食材が使われるであろうお店に行って、

1週間、もしくは1か月でどれくらいの量の野菜が必要か聞いてみてください。

例えば、キャベツだと、お好み焼きやさん、焼きそば屋さん、フランス料理店など??

『お好み焼きで、この規模のお店なら

 キャベツは1週間に200キロ必要なんだな。

 単価は1キロ100円で販売するとしたら

 1週間で2万円。1か月でだいたい8万円かな。

 じゃあ、同じ規模のお好み焼きやと5件取引出来たら、

 1か月で40万円の売上になるだろう』

 

個人宅の場合も同じく

『この野菜を1セット2000円で販売。

 月に1度買ってくれるお客さんが100人居たら、

 月間で20万円の売上になるね』

という風に考えて下さい。

 

★A,B,C品が加味できる方は・・・。

『味が同じなら、AでもBでも大きさは別に気にしない』

『でも、さすがにC品は勘弁してほしい』

という前提で、A,B品のみの出荷で考えてみましょう。

この場合、A,Bとも、A品の価格で計算して大丈夫です。 

 

この計算を野菜がなくなるまで繰り返す!!

そして、上のような計算を

『『収穫』の予想数量と『販売』の予想数、が同じになる』

まで、計算してみましょう。

言い方を変えると『うちの畑はもう本当にカラになりました!売切れです!』

となるまで、野菜を売り切るように割り振りします。

 

『今年のキャベツは500トン収穫予定!!』と計算したなら、

・市場出荷に100トン

・お好み焼き屋さんに200トン

・スーパーに50トン

・個人宅に40トン

・産直市に100トン

 ・その他(例:結局売らずに近所にあげたC品)が10トン

合計500トン

みたいな感じで、余りのないように。細かい端数は気にしなくていいですが、

あくまで、

『収穫したものは同じ条件で、どこに売るのがベストなのか』

という試算だということをお忘れなく。

 初めのうちは、手を広げ過ぎない!!

それと、家族経営レベルの規模だと、

アレコレ売り先が増えると、栽培以外の事務処理が増えて

てんやわんやになる恐れがあります。

なので、作る作物や、地域によりますが、

『やっぱり市場出荷に専念する!薄利多売!!』

『産直市と、飲食店の2つに絞って考えてみよう』

『デパートと飲食店で高価格帯で売りさばく!!』

など、あなたのやりたい売り先に絞って考える方が、

最初の方はいいと思います。

 とはいえ、『自分にはムリだ』と思いこまない

でも『今までやったことが無いから』という理由で、

違う売り方を敬遠していては、なかなか売上金額が増えません。

 

『自分の野菜はどこに売るのが一番いいのだろう?』

『自分は、誰に野菜を買って欲しいのだろう?』

ということはしっかり考えてみてください!

お疲れ様でした!あなたの予想売上はいくらでしょうか!?

さぁ、合計の売上金額はいくらになりましたか?

500万円に届いた人はひとまずおめでとうございます!!!

これをもとに、経費を考え、年収250万円の農家になれるように計画を続けて考えていきましょう!!

 

逆に、売上金額が500万円

(甘く見ても350~400万円)に届かないという方の場合・・・、

売り先をコレだけ考えて、目標に届かないということは

あなたの就農計画は大幅な見直しが必要ということになります!!

 

それについてはまた次の記事で!!!

 

かなり長い記事になってしまいましたが、

お付き合い頂きありがとうございましたー。

稼げる農業を目指して、今日も頑張りましょう!!!

認定新規就農者の計画の立て方④足りない売上を増やす方法

前回は、農業で生活していくための心構え!

という少しカターい話になってしまいましたが、

今回は実際に目標の調整、修正について

どうすればよいのかのお話し。

農業においての

『売上を増やす』には、どういった工夫をすればよいのかを解説します。

 

目次(クリックすると、該当の段落に移動します)

 大前提:『収入』という数字は、『売上』よりも大きくならない!!

以前の記事でも紹介したので、今回は簡単におさらいですが、

『収入(年収)』の金額とは、

『売上』ー『経費』で計算されます。

あなたがどんなに頑張って経費をゼロ円に抑えたとしても、

収入=売上 です。

認定新規就農者に必要な『250万円の収入』を得るためには、

最低・・・本当に最低でも250万円の売上が必要。

そして、実際には経費をゼロに抑える事は不可能。

250万円の収入のためには、多くの場合、

500万~700万円程度の売上が必要となります。

俺の現在の計画じゃあ、

 どうやってもMAX300万円の売上にしかならないよー

という方は、こうやって計画表の売上修正をしていきましょう。

★売上目標を上げる方法①栽培方法

方法の紹介の前に。まずは机上の空論を目指す

今から紹介する方法は、『例えば』です。

『計画表で500~700万円の売上を上げる』

ために、どうすればいいのかの例え話です。

実際やってダメだったら、違う方法で挑戦すればいいんです。

が、認定新規就農者になるには、計画が必須!!!

実際やる前に今は『計画』が必要なんです。

まずは『机上の空論』を成り立たせるように頑張ってみましょう。

売上を上げる栽培方法①種まきの量を増やす 

前回ご紹介した、30aにじゃがいもを植えたケースで考えてみます。
前回は、50mの畝(うね)を、1.5m間隔で用意する。
出来上がった畝に、種イモを40センチ間隔で植える、、、。
そうすると、ひとつの株から、800グラムのじゃがいもが収穫できる、、、。
 
という条件で、MAX売上を算出しましたが、、、。
 
例えば、畝の間隔を1.2mに短くし、
種イモの間隔を30センチ間隔に変更したら??
そして、1株からの収穫量が変わらず800グラムなら理想的。
もし、少し減ったとして、750グラムは収量確保できるとしたら、、、?
それは『売上アップのチャンス』です。
 

 売上を上げる栽培方法②1株あたりの収量を上げる

先ほどの方法とは逆の一手かもしれません。

株間をあえて広く取り、1株あたりのスペースを広く取ってやる。

畑全体の株数は減りますが、1株あたりの収量が多くなり、

畑全体の収量がそれで上がればOKです。

また、株間を変えずに、堆肥や肥料、農薬など、栽培方法を変えてみて、

1株あたりの収量を上げることは出来ないか・・・?

そうして収量が上げられないか計算してみて下さい。

 

★売上目標を上げる方法②販売方法

さて、栽培からは一旦目を離して、

『収穫した作物』の販売についてのアドバイスです。

 売上を上げる販売方法 売り先を変えてみる

 

前回立ててもらった計画で、あなたは『誰に』作物を販売する予定でしたか?

農協や市場への出荷??

地元の産直市??

個人宅へ直送??

スーパーへ持ちこみ??

飲食店へ郵送??

色んな考えがあってもいいと思います。

が、もし、『手っ取り早く売上をUPさせたい!』

と思うなら、

作物や栽培方法を変えずに

まず売り先を変えてみてください。

 

売り先を変える、例えば・・・  

当然ですが、違った売り先にはそれぞれ

メリット、デメリットがあります。

 

①市場出荷しかしていなかったトマトを、産直市に出してみたら?

②産直市にしか出していないナスを、個人宅に売り込んでみたら?

③個人宅に出していたピーマンを、飲食店に持ち込んだら??

④はたまた、直販を減らし、作業効率のいい市場出荷に専念してみたら?

 

↓↓すると・・・↓↓

①今まで100円で売っていた商品が、

150円で売れるようになった!!

②売値は同じままだけど、

 今までかかっていた産直手数料がかからなくなった!

③売値は同じだけど、

袋詰めの手間がかからなくなった!袋代金がかからなくなった!

④売値は下がったけど、作業効率が大幅によくなった!

人件費がかからなくなった!

など、色々な答えが出てくると思います。

 

『現状維持のままでいい、と思ったら、必ずそれは衰退していく』

 みたいなことを、

サラリーマンをした事のある方なら、上司に言われた事があるのでは?

その通りだと思います。

『やった!農業の目標売上達成した!来年も全く同じ事をしよう!』

と考えていては、

天候不良、お客さんのニーズの変化、自分の体調の変化などで、

『去年はうまいこといったのに今年はズタボロ・・・・』

なんてことになってしまうものです。

 

売り先を変える、実際の考え方

少し話がそれましたが、

この記事の本題

『農業の売上計画が目標に届かない・・・』

という方は、

『売り先を〇〇から✖✖に変えてみたら、売上はどう変わるだろう?』

と考えてみてください。

ポイントは、

『あくまで全く同じ商品(農産物)を扱う』

と、

『売り先で異なる経費の事を ”少しだけ” 考える』

です。

 

kasegu-nougyou.hateblo.jp

ここは、結構ポイントになると思うので、次回の記事で紹介します。

長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

農業で稼ぐ!!!ために今日も頑張りましょうー!!!