稼ぐ農業を目指す!!

農業でさらに『上』を目指したい人に読んでもらいたいです。

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ターゲットを明確にする 絞り込む【野菜のブランド化・高収益化するには】

どうすれば自分の野菜や商品が売れるようになるのか。

『ブランド化』ってよく言われるけど、何から始めるべきなのか。

そのヒントをまとめてみました。

目次

 ターゲットを意識しないのは『独りよがり』

『これから農業を始めます!!』っていう状況の人や、

『始めたけど、思うように野菜が売れない』って人と

話すときに、『ある質問』をいつも私は投げかけます。

それに対してスパッと回答出来るかどうかで、

農業で成功できるかどうかの可能性が大きく変わる気がします。

 

その質問とは・・・

誰に買ってほしいの?

『先祖代々の種で野菜を作りたいんです!』

『日本一甘いスイカを作りたいんです!』

『珍しい西洋野菜を栽培したい!!』

など、

『作りたい野菜』については、

新規就農者はもちろん

ほとんどの農家は、嬉々として語ってくれます。

それはそれで大事なことです。

自分が作る野菜にこだわりやプライドが無ければ、

農業なんてやってられません。

 

しかし、

『何の野菜を作りたいか』

が答えられるようになったら、

次の質問にもセットで答える必要があります。

『誰に買ってほしいか』

です。

(買う、売る、という単語に抵抗がある方は、

『誰に食べて欲しいか』という質問でも構いません)

 

前述のとおり、

この質問を『今から農業やりたい!』という人に投げかけると、

『あ・・・えーと・・・考えた事なかったです』

と回答される方が半分か、半分より少し多いくらいな気がします。

 

結構、答えられないとヤバイです。

ヤバイ、という意味にピンとこない方に、

回答例をいくつか紹介します。

例えば、こんなターゲット

・個人

・飲食店

・スーパー

・デパート

・とにかく市場出荷

 

などです。

細かく言っていけば、

個人と言っても、

・主婦

・学生

・男性 or 女性

・高齢者

・赤ちゃん(離乳食)

 

飲食店と言っても

・大手チェーン店

・個人経営の飲食店

・和食 or 洋食 or 中華

・大都市 or 地域

など、色々な答えがあると思います。

 

市場出荷(従来販売)も答えの1つ

そして、例外としての答えが、

『市場出荷』や『農協(JA)への出荷』です。

これは、従来の農業のカタチであり、

今も利用している農家はたくさんいます。

戦後の日本での農家と農協の関係は

『農家の皆さん!

 米や野菜の販売は、全部農協がやります!

 売り先は気にしなくていいです!

 とにかく生産に力を注いでください!』

という考えがベースです。

最近は、何となくJAのこのやり方に異議を唱える方が多いですが、

システムとして、よくできてはいます。

農家が作った米、野菜は必ず買ってもらえるのがメリット。

ただし、農家自身が価格設定を出来ないというのが最大のデメリットです。

話を元に戻しますが、

『誰に売りたいか?それは農協に全部任せてる』

というのも、立派な1つの回答です。

ターゲットが見えてくると、栽培が変わる

問題は

『売り先・・分からない』

『考えた事が無かった』

という方です。

 

『誰に買って欲しいか』

という考えが抜けていると、

お客さんを本当に満足させる野菜(商品)なんて、作れません。

例えば、ニンジンにしましょうか。

『和食系の大衆料理屋で使ってもらえるニンジンを作りたい』

とターゲットの絞り込みがあればこそ、

『この品種は、和食向きなのか、洋食向きなのか?』

『料理人が使いたいサイズは、市場出荷よりもかなり大きいニンジン』

『大衆料理だから、別に多少のキズや曲がりは気にしない』

など、栽培方法も見えてきます。

 

そして、大事なポイント、価格設定。

『とにかく栽培面積を増やす!』

『安くていいからたくさん買ってください!!』

もしくは

『クオリティの高いニンジンを作る!』

『市場出荷の手間の倍をかけて、作ってます!価格は高いけど満足させます!』

など、

『ターゲットに合わせた価格』を

『あなた』が設定することができます。

別に必ずしも高級な野菜を作らなくてもいいんです。薄利多売もひとつの手です

 

農業分野の方で、ここまで回答できる方は少ないです。

少ないから、『稼げない産業』と言われるようになってしまったのだと

私は考えます。

 

『農家はイチイチそんな事考えとられるか。そんな事より畑に出ろ』

という方が特に年配の方には多いと思いますが、

ちょっと次の比較を見てみてください。

農業界と自動車業界の比較

例えが分かりやすいので、

自動車業界と農業を比較しましょう。

自動車業界は、

メーカー(maker)

ディーラー(dealer)

に主に分かれています。

maker とは文字通り『作る』人。

dealer とは『販売する』人、という意味です。

 

トヨタ、ニッサン、マツダ、ホンダなど

多くの自動車会社がありますが、この構図は基本的に同じです。

そして、メーカーは、

『次にどんな車がヒットするか』

を常に考えながら開発(make)しています。

 

・主婦向けのクルマ

・若者向けのクルマ

・高齢者向けのクルマ

 

などなど。

そして、このターゲットを絞り込むために、

莫大なお金をつぎこんで、

開発者が情報を集めたり

アンケートを取ったりしています。

 

この記事の冒頭で紹介した質問を踏まえて、

『今度の新型車、誰に買って欲しいの?』

と、聞いたら

『え・・・考えたことなかった・・・』

と答える開発者は絶対に居ません。

『小さい子供がいるお母さんに乗ってもらいたい』

『そのためには、可愛いデザインが必要』

『子供が乗り降りがしやすいスライドドアを付けた』

『エアバッグなど安全装備が特に充実』

『多少燃費は捨てたが、荷物はしっかり積める』

など、お客さんを想定した回答が出てくることでしょう。

 

そして、その想いを基に、車を生産し、

出来上がった車をディーラーに送り、

ディーラーがお客さんに販売するわけです。

 

(農業で言う所のディーラーは、

農協や市場だったり、あるいはスーパーやデパートかもしれません。

 完璧でなくていいので、ターゲットを想像する→確認する

 自動車メーカーほど、お金や時間は掛けれないかもしれませんし、

完璧な絞り込みは難しいと思いますが、

どうせ野菜を作るなら、

『コレが作りたい』だけでなく

『こんな人に食べてもらいたい』

という想いを確かめながら、種を買ってみてください。

 

そして、大切なのがその想像の確認。

ちゃんと想いを持って作って野菜を作って、売ってみると

狙い通りのお客さんに喜んでもらえることもあれば、

全然想定していなかった別のお客さんに喜んでもらえることがあります。

その積み重ねで、

『あ、この野菜はこの大きさが一番売れる』

『主婦よりも料理人のほうがいい値段で買ってくれる』

など、売上UPや、ブランド化が進んでいくのです。

 

まとめ

『何が作りたいか』

にプラスで

『誰に買ってほしいか』

を考えながら、栽培に臨み、

『実際のお客さんの反応を確かめる』

この積み重ねが、ブランド化や、高収益化につながる