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ヤンマーのトラクター『YTシリーズ』購入までの覚え書き③キャビン有りか、無し(ロプス)か

トラクター購入までの備忘録。

前回までは、

①新車を買うか、中古車を買うか

②YT2シリーズとYT3シリーズの違い

を紹介しました。

 

とりあえず私は

・新車

・YT3シリーズ

を購入するところまで決定しました。

 

で、今回の話が、

キャビン(運転室)かあった方がいいのか、

なくても我慢できるものなのか?

それとキャビンのデメリットは何なのか?

について書き進めて行こうと思います。

 

目次(クリックすると、該当の段落に移動します)

 

カタログの見方

キャビン付きのトラクターの型式には

すべてアルファベットの『Q』が表記されています。

キャビンなしのトラクターの型式には、Qが無く、

その他のアルファベットは同じです。

ちなみに、キャビンのないトラクターの事は、

『ロプス』とカタログに載っている場合があります。

ロプスとは、トラクターが横転した時に運転者を守る

こと『安全バー』のことだそうです。

 

キャビンのメリット

●快適な運転席

夏は涼しい、冬は暖かい

まずはコレですね。キャビンにはエアコンが付いているので、

適温で作業することが出来ます。

 

虫が来ない、泥が跳ねない、ホコリも入らない。

密閉されたキャビン内。

当然ですが、虫やホコリ、泥跳ねの影響も受けません。

 

夏場の蚊や、コバエなどの大群

アブやハチなど、ちょっと面倒なトラクター中の虫。

キャビンが有ればその心配もなくなります。

山あいの場所で作業される方は、特に効果アリですかね。

 

前述の快適な気温、と合わせて考えると、

『サンダルに下着姿でもトラクターが出来るよ(笑)』

と、農機具屋さんが言っていました。

大産地で朝から晩までトラクターをしたり、夜間に作業したりする人は、

実際にそういうスタイルの方もいらっしゃるとか??

トラブルが起きたらトラクターから降りる必要があるとはいえ、

この『気軽にトラクターに乗れる!』というのは

大きなメリットだと思います。

 

音楽が聞ける

今までキャビンなし(ロプス)しか乗ったことのない私が、

YT3シリーズの試乗車のキャビンに乗って

驚いた事で、

『車内がものすごく静か』ということがあります。

ドアが少しでも空いていたら、

『ブロロロロロロロロ…』というエンジン音がしていたのですが、

『バタン』とドアを閉めた途端、驚くほどの静粛性!!

設置してあるCDとかラジオが余裕で聞き取れるレベルです。

ハンズフリーイヤホンをつけたら、

当然電話も出来ると思います。

(電話を持ちながらの運転は危険ですのでやめましょう)

『トラクター作業の時間は退屈で苦痛、、、

せめて音楽聴きながら出来たらイライラしないのに、、』

という方は、キャビンでストレス軽減出来るかもしれません。

 

キャビンのデメリット(ロプスの良いところ)

農機具屋さんと商談していて、

『絶対キャビンがオススメよ!

一回キャビンに乗ったら、

キャビン無し(ロプス)には戻れなくなるよ!!』

と、すすめられましたが、

あえて

『キャビンのデメリットって何ですか?』

と聞いてみました。

・価格差約80万円

エアコン、防音ガラス、フレーム、

それとYT3シリーズの場合、キャビンには

車速や状態が確認できるディスプレイが付いています。

キャビンを付けるとなると、

キャビン無し(ロプス)に比べて、

80万円前後の価格差があります!

80万円あれば、10ー15馬力大きいトラクターが買えちゃうわけです。

うーん、今までキャビン無しで作業していた私としては、ちょっと悩む価格差ですね。

北海道とか、ものすごく寒い地域だったら、迷わずキャビンありにするんですが、

ちょっと我慢すれば(カイロとか、上着とか)、

キャビン無しでも作業できるんですよね。ここが 悩みのタネです。

一応、ご参考までにですが、

日本国内で、キャビンを自作(冬場の寒さ対策、風よけの用途)した方は

既にいるようです。『トラクター キャビン 自作』とかで調べたら

結構出てくるので、興味のある方はぜひ確認してみて下さい

 

・若干、馬力が下がる場合がある

『あまり気にしすぎなくていいとは思うけど』

と農機具屋さんには前置きされましたが、

夏場にエアコンをかけながら作業すると、どうしてもエンジンに負荷がかかります。

なので、結果としてキャビン無しよりも少し馬力が落ちる場合があります。

仕組みとしては、軽自動車で坂道を登っている時に、

エアコンを付けるか消すかで、エンジンの音が変わるのと同じだと

僕は解釈してます。

トラクターと軽自動車では、エンジンの大きさが違うので、

気になるほどの変化はないかもしれませんが、

若干馬力が下がるのはあり得る話です。

馬力ギリギリのアタッチメントを付けるつもりの方は、

ワンサイズ大きいトラクターを買うか、

キャビンを諦めた方がいい、というケースも出てくるかもしれません。

 

・乗り降りがちょっと手間

お金の差額のことは除外したとしても、

私の農業スタイルの場合、コレが1番のデメリットかなぁと思いました。

1つ目は乗り降りするには、ドアを開ける手間がかかる。

2つ目。

更に、ドアの開け閉めは、トラクターの向きで言うところの

『後方』を支点にして開閉されます。

従って、運転席から、斜め前側に降りるような動きが必要となります。

 

ひたすら田んぼなどにロータリー作業する場合は、

気にしなくていいレベルの手間ですが、

ロータリーに畝立て整形機を付けていたり、

その他微調整のいるアタッチメントをつけている場合、

『一旦フロント側に向かって降りて、

開いたままのドアを避けるようにしてロータリー部分に移動。

そして戻る時も、ドアを避けるようにフロント側に回って、

ステップを上り、ドアを閉める、、』という手間がかかります。

キャビン無しなら、後ろ方向へそのままパッと降りて

後ろ方向からサッと乗れるわけですから、

1日に何回も乗り降りしないといけないトラクター作業の人は、

結構ストレスになるかもしれませんね。

 

・メンテナンス費用がかさむかもしれない

価格差が約80万円と書きましたが、

購入後のメンテナンスにも差が出てくるのは覚悟しましょう。

 

エアコンの故障

ガラスが割れた

などが代表的な修理とのことでした。

やはり気付かないうちに、飛び石などでガラスにヒビが入る場合があります。

倉庫や、移動中にぶつけてしまって、バリン!!という可能性もやはりあるようで、、、。

最悪完璧に割れてしまった場合は、

5万円程度の修理代は必須のようです。

 

エアコンについて。

昔に比べて、故障確率は下がっているものの、

もし本当にトラクターのエアコンが壊れてしまったら、

春先〜夏場の作業は不可能です。暑くてヤバいです。

一応窓が開け閉めできるようですが、熱中症になるのは必至。

 

かといって、ドアを開けたまま作業したなら、

飛び石でドアが傷つきやすくなるリスクが上がります。

これもやめておいた方がいい、と農機具屋さんに言われました。

 

どれだけ大切に手入れして乗るかによりますが、

キャビン無しよりも、メンテナンス費用が

少し多めにかかると思っておいた方が良いでしょう。

 

・視界が少し劣る

ガラスで囲まれているため、

どうしてもキャビン無しよりも周りの様子が掴みづらいことがあります。

慣れれば大丈夫かな?とも思いますが、

キャビン無しなら、身を乗り出すようにして後方確認、横側の確認が出来るのが、

運転室から顔を出すことが難しい、というのはデメリットかなぁと思いますので、

一応書いておきます。

 

・外にいる作業者と話がしにくい

これもマニアックなケースかもしれませんが、

トラクターの補助スタッフが必要な作業の場合、

補助スタッフがオペレーター(運転手)に声をかけても届きにくい

という場合があるそうです。静粛性の代償という感じでしょうか、、。

 

オペレーターとサポートの声かけが必須な作業をしている方が

キャビンを選ぶ場合、

安全対策を見直しながら、作業する方がよいかもしれません。

(農業事故を起こさない、安全第一!!です)

 

まとめ

改めてキャビンのメリット、デメリットを書き出してみて、

一番のネックは

・『80万円の価格差』をどう見るか?

だと思います。

『雨の日でも作業できるから便利だよ!』と農機具屋さんが言ったとしても、

畑作農家の場合、雨の日はロータリー作業をするのはご法度です。

(水田の場合は代かきなどが出来るので便利だと思います)

 

『エアコンがある、虫がこない、音楽が聴ける

これは便利だ!!快適だ!!夏場のトラクターが苦にならないぞ!』

と思う方はキャビンありの方がいいと思いますし、

 

『でも、キャビンを我慢したら、もう1サイズ大きな馬力が買える・・・

馬力が大きい方が、作業効率上がるんじゃない?

使えるアタッチメントも増えるんじゃない?』

と考えてしまう倹約派の方は、

 キャビンなしでもいいのかと思います。

 

キャビンについては、残念ながら後から追加でつけてもらうことができません。

(自作キャビンという手があるにはありますが・・・)

予算、機能、使用用途など考えながら、

いいチョイスをなさってください!